胃の粘膜から発生するがん(悪性腫瘍)です。ヘリコバクター・ピロリ菌感染があると、胃がんが発生する確率が高くなります。胃がんは、男性では最も多く、女性では乳がん、大腸がんについて3番目に多いがんです。
胃がんは、早期発見・治療すれば比較的予後良好です。しかし、スキルス胃がんという胃の壁を硬く厚くさせながら広がっていくタイプの胃がんは、早期発見するのが難しく治りにくい胃がんです。
胃がんの発生要因には、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、喫煙があります。その他、食塩・高塩分食物の摂取が、胃がんの発生する確率を高めることが報告されています。
ピロリ菌に感染していても必ず胃がんになる訳ではありませんが、発生リスクが高くなるため除菌療法と定期的な検査が推奨されています。
胃がんは、早期では自覚症状がほとんどなく、進行しても自覚症状がない場合があります。
よくある症状は、胃(みぞおち)の痛み・不快感・違和感、胸やけ、嘔気、食欲不振です。しかし、これらの症状は胃炎や胃潰瘍でもみられるため、見過ごされることも少なくありません。
胃がんから出血することによる貧血や黒い便で発見されることもあります。
食事がつかえる、体重が大きく減るといった症状の場合は、進行胃がんの可能性がありますので、できる限り早く胃カメラ(胃内視鏡検査)を受けたほうが良いでしょう。
胃がんの検診方法として効果があるとされているのは、胃部X線検査、胃内視鏡検査です。

胃炎(胃の痛み・もたれ)でお悩みの方へ
「胃がキリキリ痛む」「食後に胃が重い」「胸やけがする」……。 このような症状はありませんか?
胃炎は、胃の粘膜が炎症を起こしている状態です。一時的な不摂生が原因の「急性胃炎」から、ピロリ菌や加齢などが原因で長期にわたって続く「慢性胃炎」まで、その種類や原因はさまざまです。
「ただの食べ過ぎかな?」と放置してしまうと、胃潰瘍に進行したり、胃がんのリスクを高めてしまったりすることもあります。まずは当院へお気軽にご相談ください。
胃炎の原因は多岐にわたりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
生活習慣の乱れ: 暴飲暴食、アルコールの摂り過ぎ、喫煙。
ストレス: 精神的なストレスにより自律神経が乱れ、胃酸が過剰に分泌される。
お薬の副作用: 鎮痛剤(痛み止め)やステロイド剤などの服用。
ヘリコバクター・ピロリ菌: 慢性胃炎の最大の原因と言われており、除菌治療が可能です。
食中毒・アニサキス: 傷んだ食べ物や、生の魚介類に寄生するアニサキスによるもの。
胃炎の症状は、急激に現れる場合と、じわじわと続く場合があります。
みぞおちあたりの痛み(キリキリ、どんより)
胃もたれ、腹部の膨満感
吐き気、嘔吐
胸やけ
食欲不振
(重症の場合)吐血や下血(黒い便が出る)
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ): 胃の粘膜を直接観察し、炎症の程度や腫瘍の有無を確認します。
ピロリ菌検査: 呼気テスト、血液検査、便検査または内視鏡時に組織を採取して調べます。
治療の基本は「お薬による治療」と「生活習慣の改善」の両輪です。
薬物療法: 胃酸の分泌を抑える薬、胃の粘膜を保護する薬、胃の動きを整える薬などを処方します。
ピロリ菌除菌: ピロリ菌が陽性の場合は、抗菌薬を1週間内服して除菌を行います。
生活指導: 消化に良い食事の摂り方、アルコールや刺激物の制限、十分な休息とストレスケアについてアドバイスいたします。
受診をお考えの方へ 「胃の調子が悪いけれど、検査が怖くて……」という方もご安心ください。当院では患者さんの不安に寄り添い、なるべく苦痛の少ない検査・治療を心がけています。少しでも違和感があれば、お早めにご来院ください。
胃潰瘍(いかいよう)について
「みぞおちが激しく痛む」「背中まで痛みが響く」「便が黒っぽい」……。 このような症状がある場合、胃の粘膜が深く傷つく「胃潰瘍」の可能性があります。
胃潰瘍は、胃酸によって胃自身の粘膜が消化され、深い傷ができてしまう病気です。放置すると胃に穴が開いたり(穿孔)、大出血を起こしたりして、緊急手術が必要になるケースもあります。
しかし、現在はお薬による治療やピロリ菌の除菌によって、適切に治療すればしっかり治せる病気です。違和感を覚えたら、我慢せずに受診してください。
健康な胃は、胃酸(溶かす力)と粘液(守る力)のバランスが保たれています。このバランスが崩れることで胃潰瘍が発症します。
ヘリコバクター・ピロリ菌: 胃潰瘍の患者さんの多くに感染が見られ、粘膜を弱らせる最大の要因です。
薬剤(NSAIDs): 痛み止め(解熱鎮痛剤)や抗血栓薬の服用により、胃を守る力が弱まることがあります。
過度なストレス: 強いストレスは自律神経を乱し、胃酸の分泌を過剰にします。
嗜好品: 過度の飲酒、喫煙、コーヒーなどの刺激物の摂りすぎ。
胃炎よりも痛みが強く、はっきり現れることが多いのが特徴です。
みぞおちの痛み: 特に食後に痛みが出やすい傾向があります。
背中の痛み: 潰瘍が深くなると、背中まで痛みが突き抜けるように感じることがあります。
吐き気・嘔吐: 胸やけを伴うこともあります。
吐血・下血(タール便): 潰瘍から出血すると、血を吐いたり、炭のように真っ黒な便(タール便)が出たりします。この場合は、至急受診が必要です。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ): 潰瘍の大きさ、深さ、出血の有無を直接確認します。必要に応じて組織の一部を採取(生検)します。
ピロリ菌検査: 採血、尿検査、呼気テストなどで感染の有無を調べます。
血液検査: 貧血が起きていないか、炎症反応はないかを確認します。
傷口を塞ぐ治療を行います。
薬物療法: 胃酸の分泌を強力に抑える薬(PPIなど)を服用します。最近は非常に効果の高い薬が登場しており、短期間で痛みは改善します。
ピロリ菌の除菌: 感染している場合は、再発を防ぐために除菌治療(お薬の服用)を強く推奨します。
生活環境の調整: 刺激物の制限、禁煙、そして何より十分な心身の休息をとることが完治への近道です。
院長よりメッセージ 胃潰瘍は「治った」と思っても、原因(ピロリ菌や生活習慣)が残っていると再発しやすい病気です。当院では単なる痛み止めだけでなく、再発させないための根本的なケアを大切にしています。気になる症状がある方は、いつでもご相談ください。